親子関係の悩みとカウンセリング依頼の増加
昨今、中学生・高校生の子供を持つ母親からカウンセリング依頼が増えていることを踏まえ、カウンセラー目線で解説します。
こんなお悩みありませんか?
•コミュニケーションが取れない。
•反抗期で何を考えているかわからない。
•学校や友達関係のストレス。
•ゲームやSNSに依存している。
1. カウンセリングで改善する可能性
子供自身の気持ちの整理:
カウンセリングを通して子供が自分の感情や悩みを理解し、言語化できるようになる。
子供が思春期を迎える中学生や高校生になると、心の中にはさまざまな感情や悩みが生まれます。
しかし、まだその感情をうまく言葉にできなかったり、誰に話せばいいかわからなかったりすることが多いです。カウンセリングでは、子供が自分の気持ちを整理するためのサポートを行います。カウンセラーが安全な環境を提供し、安心して話せる雰囲気を作ることで、子供は自分の感情や悩みを少しずつ言葉にできるようになります。たとえば、「友達とうまくいかない」「親にどうしても言えないことがある」といった気持ちを話しながら、なぜそう感じるのか、どのように向き合えばいいのかを一緒に考えていきます。感情を整理し、言語化できるようになることで、子供は自分の心の状態を理解し、自信や安心感を得ることができます。結果として、問題解決の糸口が見え、気持ちが軽くなることが期待できます。
親子間の理解が深まる:
カウンセラーのサポートを受けることで、親も子供の気持ちや行動の背景を理解できる。
カウンセリングは、子供だけでなく親にも有益な気づきをもたらします。
子供の問題行動や反抗的な態度に対し、親が感情的になったり、叱ったりするだけでは根本的な解決にはなりません。カウンセラーは、子供の言葉や行動の背景にある感情や悩みを見つけ出し、親にそれをわかりやすく伝えます。たとえば、「学校でのストレスが原因で、家では無口になる」といった事情が理解できれば、親も適切な対応が取れるようになります。親が子供の気持ちに寄り添い、共感する姿勢を持つことで、子供は「自分は理解されている」と感じ、安心感や信頼感が生まれます。カウンセリングを通して、親子のコミュニケーションがスムーズになり、互いの理解が深まることで、関係性がより良いものに変わっていくでしょう。
解決に向けた具体的な行動が見える:
問題解決に向けたステップを一緒に考えることで、親子の関係性が改善される。
カウンセリングは、単に話を聞くだけではなく、具体的な解決策や行動のステップを示す役割も担っています。
親子関係の問題や子供の抱える悩みは、一つひとつ異なるため、カウンセラーはその家庭や子供に合った解決策を提案します。たとえば、「子供が勉強に対して無気力な場合」、小さな成功体験を積み重ねるための計画を立てたり、「反抗期で親と話さない場合」、親が少し距離を置いて見守るタイミングや、共通の趣味を見つける提案をしたりします。こうした具体的な行動指針があることで、親も焦らず冷静に対応しやすくなります。また、子供自身も何をすればいいのかが明確になるため、問題に対して前向きに取り組む意欲が湧きます。親子が一緒に取り組むことで信頼関係が強まり、改善への道筋が見えるようになります。
2. 子供に寄り添うための親の心得
「聞く力」を育てる
子供の話を最後まで遮らずに聞く。
子供が何か話し始めたとき、親はつい途中で口を挟んでしまうことがあります。
しかし、子供の話を遮ると「自分の意見は聞いてもらえない」と感じ、心を閉ざしてしまうことが少なくありません。特に中学生・高校生は、自立心が芽生え、親との距離を保ちたがる時期でもあります。そのため、子供が話しているときは、どんなに小さな話でも、最後まで耳を傾ける姿勢が大切です。
話の内容が親にとって理解しづらい場合や、心配でアドバイスをしたくなる気持ちもわかりますが、子供が言いたいことを全て言い終わるまで待ちましょう。
相槌を打つ、目を見てうなずくなどの「聞いているサイン」を示すと、子供は安心して話せます。また、「どう思ったの?」や「それでどうしたの?」と興味を示す質問をすることで、さらに話しやすい環境を作ることができます。
子供が心を開いて話してくれるのは、親が自分の話をちゃんと聞いてくれると確信したときです。
「途中で止められない」という安心感が、子供の自己肯定感や信頼関係の基盤となります。「話を聞いてもらえた」という経験が増えると、子供は困ったときや悩んだときに、自然と親に相談するようになるでしょう。
判断やアドバイスを急がず、子供の気持ちを受け止める。
親は子供が困っていると、つい「こうすればいいのに」とアドバイスや判断をしてしまいがちです。
しかし、子供が話すときは、解決策を求めているのではなく、まずは自分の気持ちを聞いてほしいと思っていることが多いのです。アドバイスを急ぐと、子供は「自分の気持ちが理解されていない」と感じ、さらに心を閉ざしてしまう可能性があります。
このとき大切なのは、子供の気持ちに寄り添い、しっかりと受け止めることです。「それは辛かったね」「そう感じたんだね」と共感する言葉をかけると、子供は自分の感情が否定されていないと感じ、安心します。気持ちが整理されると、子供自身が自分で答えを見つける力も育ちます。
親がすぐに解決しようとしないことで、子供は「自分の意見や感情には価値がある」と思えるようになり、自信を持てるようになります。逆に、親がすぐに判断を下すと、子供は「自分では解決できない」と感じ、自己肯定感が下がることもあります。
子供にとって、まず「自分の気持ちを聞いてもらえた」「理解してもらえた」という経験が重要です。アドバイスは、子供が本当に求めたときに、そっと寄り添う形で行うと、親子の信頼関係はより深まります。
4.親の価値観を押し付けない
親と子供の考え方は違うと理解する。
親は長年の経験から「これが正しい」と思う価値観や考え方を持っています。
しかし、子供は親とは異なる時代、異なる環境の中で成長しており、考え方や感じ方が違って当然です。特に中学生・高校生になると、自己のアイデンティティが形成され、自分なりの考え方や意見を持つようになります。親がその違いを理解せず、自分の価値観を押し付けてしまうと、子供は反発したり、自分の意見を言わなくなったりすることがあります。
例えば、進路や趣味、友人関係など、親の「こうあるべき」という期待が強すぎると、子供は「自分は親の思い通りでなければならない」と感じ、苦しむことがあります。親と子供の考え方が違うことを認め、「そういう考え方もあるんだね」と受け入れる姿勢が重要です。
子供が新しい考え方や意見を持つことは、成長の証です。親が自分と違う意見を尊重すると、子供は「自分の考えを認めてもらえた」と感じ、自己肯定感が高まります。「違ってもいい」というスタンスが、子供との信頼関係を築き、親子間の健全なコミュニケーションにつながるでしょう。
子供の自主性を尊重し、選択を見守る姿勢が大切。
子供の成長過程では、自分で考えて選択し、その結果を受け止める経験が必要です。
しかし、親は子供の将来を心配するあまり、良かれと思って進む道を決めたり、選択肢を狭めたりしてしまうことがあります。こうした行動は、子供の自主性を奪い、自立心の成長を妨げてしまいます。
子供が何かを選択しようとしているとき、親の役割は「見守る」ことです。もちろん、失敗する可能性もありますが、失敗もまた学びの一つです。親が選択を尊重し、たとえうまくいかなくても「大丈夫、一緒に考えよう」とサポートする姿勢があれば、子供は安心して自分の道を進めます。
例えば、部活動や習い事、将来の進路など、子供が自分で決めたことに対して「応援するよ」と伝えることで、子供は責任感や自信を持つようになります。逆に、親が「これが正しいから」と選択を押し付けると、子供は「自分の意見には価値がない」と感じ、自己肯定感が低下することがあります。
自主性を尊重し、選択を見守ることは、子供にとって「信頼されている」という大きな安心感につながります。親の温かい見守りが、子供の心を育て、将来の自立へと導いていくのです。
5.安心できる環境を整える
家が安全基地となるよう、普段から温かい雰囲気を心掛ける。
子供にとって家は、心と体を休め、安心して自分らしくいられる「安全基地」であることが理想です。
学校や友人関係、勉強や部活動など、外の世界で多くのストレスやプレッシャーを抱える中学生・高校生にとって、家が安心できる場所であることはとても大切です。
親が普段から温かい雰囲気を心掛けることで、子供は「家に帰れば安心できる」と感じます。例えば、忙しい日常の中でも子供が帰宅したときに「おかえり」と笑顔で迎える、食卓で一緒に食事をする時間を大切にするなど、些細な日常の積み重ねが安心感を育みます。
また、叱るときや注意をするときも、子供の気持ちに寄り添い、人格を否定するような言葉を避けることが重要です。「あなたはダメだ」ではなく、「こうした方がもっと良くなるよ」といったポジティブな伝え方を意識しましょう。温かい雰囲気と親の肯定的な関わりがあれば、子供は失敗を恐れず、自分の気持ちや悩みを打ち明けやすくなります。
家が安全基地であることで、子供は心のエネルギーを回復し、自分の力で困難に立ち向かう勇気を持てるようになります。親の温かいサポートは、子供の心を強くし、安心して外の世界で挑戦できる力を育てるのです。
「いつでも話していいんだよ」と伝えることで子供が安心感を持つ。
子供が悩みや不安を抱えているとき、「誰にも話せない」と感じると孤独や不安が増大します。
そのため、親が「いつでも話していいんだよ」と伝えることは、子供にとって大きな安心感になります。言葉だけでなく、日頃の態度や雰囲気でも「話していいんだ」というメッセージを伝えましょう。
例えば、子供が何かを言いかけたときに忙しそうにしたり、「後でね」と後回しにしたりすると、子供は「どうせ聞いてもらえない」と感じてしまいます。逆に、子供が話しかけてきたときに手を止めて向き合うことで、「あなたの話を大切に思っている」という気持ちが伝わります。
また、無理に話を引き出すのではなく、子供が自分のタイミングで話せるように見守ることが大切です。「困ったことがあればいつでも聞くよ」「何かあったら話してね」と日常的に伝え、気軽に話せる雰囲気を作りましょう。
子供が話しやすいと感じる環境は、信頼関係の基盤になります。たとえ小さな悩みでも、話を聞いてもらえた経験が増えれば、いざ大きな問題に直面したときにも、安心して親に相談できるようになります。「いつでも話せる場所がある」という安心感は、子供の心を支える大きな力となるのです。
6. カウンセリングを検討するタイミング
子供が話をしなくなったとき。
子供が急に口数が少なくなり、家庭での会話が減ったと感じるときは、カウンセリングを検討するタイミングの一つです。
特に中学生や高校生は、思春期特有の心の変化や対人関係のストレス、進路に対する不安など、多くの悩みを抱えています。そのため、話さなくなった背景には、言葉にできない悩みや葛藤が隠れていることが少なくありません。
親としては、「何か悩んでいるの?」「どうしたの?」と尋ねたくなるものですが、無理に話を引き出そうとすると、かえって子供が心を閉ざすこともあります。子供が話さなくなったときこそ、焦らず静かに見守り、カウンセラーという第三者に相談することが有効です。
カウンセラーは専門的なスキルを持ち、子供が安心して話せる環境を整えてくれます。親には言えないことでも、カウンセラーには話せる場合があり、子供が自分の気持ちや考えを整理する手助けとなります。問題が大きくなる前に、早めにカウンセリングを検討することで、子供の心の健康を守り、親子の信頼関係を維持することができます。
学校や友達関係に悩んでいるサインが見られるとき。
学校や友達関係での悩みは、子供にとって大きなストレスとなり得ます。
特に中学生・高校生は、友人関係が自己肯定感やアイデンティティに大きく影響する時期です。学校へ行きたがらない、成績が急に下がった、友達の話をしなくなった、または表情が暗い日が続くといったサインが見られたら、注意が必要です。
これらのサインは、いじめや友達とのトラブル、学業のプレッシャー、または先生との関係に悩んでいる可能性を示しています。親が気づいて心配しても、子供自身が「親には心配をかけたくない」と感じ、悩みを隠してしまうこともあります。そのため、子供が自ら話しにくいときは、カウンセラーという専門家に相談することを検討しましょう。
カウンセラーとの対話を通じて、子供が抱えているストレスの原因や感情を明らかにし、解決への糸口を見つけられることがあります。親が「一人で抱え込まなくていいよ」と伝え、カウンセリングを提案することで、子供に安心感を与え、心の負担を軽減するサポートができます。
親子でのコミュニケーションが難しくなったと感じたとき。
親子のコミュニケーションがスムーズに取れなくなることは、成長過程でよくあることです。
しかし、言い合いや無視が増えたり、会話がすれ違いばかりになったりすると、双方にとってストレスとなり、関係が悪化することがあります。このようなときこそ、カウンセリングを検討する良いタイミングです。
親子のコミュニケーションが難しくなる原因はさまざまで、子供の反抗期、親の期待とのズレ、日常生活のストレス、価値観の違いなどが考えられます。親が子供に「理解してほしい」と思う一方で、子供も「分かってもらえない」と感じていることが多く、互いに孤独感を抱えてしまいます。
カウンセリングでは、親子それぞれの気持ちや考えを整理し、適切なコミュニケーション方法を見つけるサポートを受けられます。カウンセラーの中立的な立場が、親子双方の気持ちを客観的に理解する助けとなり、解決への道を見つけやすくなります。無理に解決しようとせず、「一緒に向き合ってみよう」とカウンセリングを提案することで、親子関係の修復につながるでしょう。
親も一緒に成長する機会
カウンセリングは子供だけでなく、親自身が成長するチャンス。
カウンセリングは子供の問題を解決するためだけのものではなく、親自身が成長するための機会でもあります。子供が抱える悩みや困難に向き合う中で、親も自分自身の考え方やコミュニケーションの癖に気づくことが多くあります。例えば、「子供のため」と思っていた言動が、実は子供にとってプレッシャーになっていたことに気づくこともあります。
カウンセリングでは、親も自分の感情や思いを整理し、より良い親子関係を築くための方法を学びます。親が自分の価値観や考え方を見直し、柔軟に変化することで、子供との関係が改善されるだけでなく、家庭全体の雰囲気が良くなることがあります。親自身が「完璧でなければならない」と思わず、成長し続ける姿勢を持つことが大切です。
また、カウンセリングを通じて親が自分の気持ちに向き合い、ストレスや不安を軽減することで、心に余裕が生まれます。その余裕が、子供を温かく見守る力となり、親子双方が安心感を得られるようになります。カウンセリングは「親としてどうすれば良いか」を学ぶ場でもあり、親子一緒に成長するための貴重なチャンスです。
子供に寄り添うことで、親子関係が深まり、悩みを乗り越えられる。
子供に寄り添う姿勢を持つことは、親子関係を深め、共に困難を乗り越える力を育む大切なプロセスです。子供が何かに悩んでいるときや心に葛藤を抱えているとき、親が「一緒に考えよう」と寄り添うことで、子供は「自分は一人ではない」と感じ、安心感を得られます。親のその姿勢が、子供の自己肯定感や信頼感を育む土台となります。
寄り添うとは、子供の話を聞き、感情に共感し、無理に解決しようとせず、子供の気持ちを尊重することです。親が焦らず、子供のペースに合わせてサポートすることで、子供は自分の問題に向き合う勇気を持てるようになります。そして、親自身も子供を通じて忍耐や共感力を育て、自分の考え方や行動を柔軟に変えることができます。
こうした親子のコミュニケーションが積み重なると、信頼関係が強化され、困難な状況に直面しても一緒に乗り越える力が生まれます。親子で共に悩み、共に解決していく経験は、家族の絆をより深いものにし、子供が将来、自立しても心のつながりを保ち続ける基盤になります。親が寄り添うことで、子供だけでなく親自身も成長し、豊かな親子関係が築けるでしょう。
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